みなし弁済と過払い金
過払い金返還請求において、利息制限法の超過利息は、無効であることを知らなくて支払った場合、外見上は任意のように思われるかもしれませんが、実は・・・
「任意」に支払うということがどのようなことなのかを
見ていくことにしましょう。
逆に任意でない支払いとはどんなことがあげられるかまずは
見ていきます。
●強制執行による強制的な支払い
●金業規制法の取り立て規制に違反する取り立てによる支払い
●担保または保証人への貸付に関する支払い
●詐欺、錯誤、強迫による支払い
●利息制限法の超過利息が無効であることを知らないで行った支払い
「任意にお金を払う」というのは普通は、債権者である
消費者金融(サラ金)に強制されることなく債務者、つまり
消費者金融の利用者が自分の意志によって自主的に支払うことです。
しかし具体的にはどんな場面が「任意」なのかわからないですね。
ですから逆の認められない事例を見ていくと一目瞭然となってきます。
利息制限法の超過利息は、無効であることを知らなくて
支払った場合、外見上は任意のように思われるかもしれません。
しかし、借り手は利息制限法の支払いを拒絶できる権利が
利息を支払うまでに、存在しています。
したがって支払いを拒絶する権利を知らないで
利息を支払うことは、錯誤によると言えます。
借り手が存在しない過払いの債務であるのに
超過金利が無効でることを知らないのであれば、
あえて支払ったということになり、任意性はないと判断されます。
そうしますと、利息制限法の超過利息の支払いが無効で
あることを知らないまま、支払っていたとすると
任意で支払ったといことにはならないので、みなし弁済の
条件としては適用されなくなります。
今までは利息制限法の上限金利を超える金利は、
借り手が利息制限法の上限金利である年利20-15%、
と出資法の年利29.2%の間の
グレーゾーン金利を任意に支払い、消費者金融からの
契約初頭が適切に交付されていれば
みなし弁済と認められてしまうことも考えられたのです。
この点が見直されて、借り手の金利負担を軽減するために
みなし弁済の規定が廃止されることになったのです。
消費者金融業者の間では、
本法の撤廃を求める声が強く、
小口無担保(かつ繰上返済自由)融資は、
制限利息を徴求するだけでは回収コストすらまかなうことができないし、
裁判実務上、みなし弁済規定の成立要件が厳格に解されている現状では
、一旦得た利息収入を不当利得返還請求によりいつ吐き出させられるか
もしれないという不安定さ(ちなみに、みなし弁済規定が成立しない
利息も、「収入すべき金額」(所得税法36条1項)として一旦課税される
が、不当利得返還請求によりこれを吐き出した場合、
当該吐き出した金額は損金となる。)を免れず(43条問題)、
これでは法令の制限内で庶民金融を供給しようとする者はいなくなり、
ヤミ金融の被害が拡大する一方であるなどと主張をしていました。
貸金業者の中には制限利息の範囲内の貸付で営業を継続しているものも
あり、本法は庶民金融の障害とはなっていないという結論になっていて、
廃止の経路をたどることになりました。
さらに出資法の刑罰金利が20%年利に引き下げられたことにより
サラ金が借り手を誤魔化す手がまた、
ひとつ少なくなったということになります。
ですからみなし弁済などの消費者金融の主張は、
全く問題なく、ほっておいていいものと覚えておけばいいでしょう。


